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ハ行 バンリール
(ヒュースケン&
バンリール)

ベルギー
 戦後のベルギーで目覚しい活躍をみせ、49年リボルヌ1、2、3、4、6、8、9位の上位独占はよく知られている。
 基礎ペアは三つ。
(1)オード・ウィッツインガー×ボエリネック
(2)スティーク×ブリクセン
(3)バング×クロメ
 他鳩舎ではヘクトール・デズメ、ファブリー、ファンネなどがこの系統を取り入れた。アメリカにも渡り、スピーダムロフトが同系の保存鳩舎となった。
ファブリー
(ジョルジュ・
ファブリー)

ベルギー
 リエージュ地方で半世紀にわたって好成績を刻み続けた。代表カップル、フランクとエロイン(サンバンサン優勝)から生まれたファボリ、ポルトスは多額の賞金を稼ぎ、ファブリーの最高傑作といわれる。
 60年代、息子のビクトールが鳩舎を引き継いだ。
ファンデウェーゲン
(アドリアンヌ・
ファンデウェーゲン)

オランダ
〜1990年
 ファンデウェーゲンは、ヤン・アールデン系の1羽のオスと2羽のメスを基礎鳩にして長距離血統を作り上げた。
(1)オード・ドファーチェ ♂
(A)オード・ドンケレ・ダイヴィン ♀
(B)オード・75・ダイヴィン ♀
 (1)×(A)からランメ(サンバンサンN6位ほか1000K9回N入賞)、ダックス・ダイヴィン(64年ダックスN優勝)、(1)×(B)からはド・52(1000K13回入賞)などが生まれた。ファンデウェーゲン系の特質は、長距離レースでのスピード性と耐久性、強烈なパワーといわれる。
 この系統を駆使した他鳩舎の活躍はおびただしく、バルセロナIN優勝だけでもC.ヴァノペン、C.ウリガース、ファンロイ、ヤンテーレン、ウィレムストーネ、J.トレマンがある。N優勝は枚挙にいとまがない。
 90年に亡くなったあとは、息子のアントンとジャックが別々に鳩舎を構えて系統を継承している。
ファンネ
ベルギー
ジェラール・ファンネ
1910〜1998年
ミッシェル・ファンネ
1944〜1998年
 ファンネほどありとあらゆる系統のチャンピオンを数限りなく交配したレースマンはいないといわれるほど、そのときどきの優秀な系統をいち早く見抜き、導入し、自系統に吸収し、そして多くのタイトルを手にした。ヤンセン、ローセンス、ステッケルボードも彼の手を経て系統としての価値を高めたといってよい。
 中・長距離のあらゆるレースで優入賞を果たし、「賞金ハンター」の異名を持つ。代表鳩に62年リボンヌN優勝のムッシュ、同年リモージュN優勝のアトム、68回入賞のパトリック、96年リモージュN優勝のパトリック・ピュア・ジュモンディなど。またベルギー・ゼネラルチャンピオン賞にも3回輝いている。
 ファンネは自鳩舎の代表CH、ラインを惜しみなく出したので、彼の血統はヨーロッパはもちろん、日本にも広く行き渡っている。
ファンブリアーナ
(アンドレ・
ファンブリアーナ)

1910〜1999年
 戦後のベルギー鳩界におけるもっとも偉大な競翔家の一人。ベルギー西部のアールベーケに生まれ、小さいころから鳩に親しんでいた。源鳩はコミンヌ、デルモー系のオード・スチール。
 彼はインターナショナルレースを4回制覇した。51年、ヨング・スチール(オード・スチール子)がポーIN当日1羽帰りで優勝、53年にはターザン(オード・スチール孫)がサンセバスチャンINでまたもや当日1羽帰り優勝。さらにバルセロナINで66年にローレア(ターザン孫)が、84年にバルセロナU(ローレア曾孫)が頂点を極めた。
 彼の系統は多くの鳩舎に導入され、長距離ビッグレースで多くの活躍を生んだ。特筆すべきはファンブリアーナ系からバルセロナIN優勝が7羽出ていることだ。圧巻は83年ポール・ジルモン、84年ファンブリアーナ、85年フェルヴィッシュと同系が3年連続で同INを制たことで、世界のレースマンを感嘆させた。
 彼の系統は孫のパスカル、パトリックに引き継がれている。
ブラークハウス
(マルセル・
ブラークハウス)

オランダ
1918〜1997年
 ドイツ国境に近いヒアーという町で活躍した。ド・アイザレンとオード・ズワルトの直子が83年ダックスNで優勝するなど、このゴールデンカップルは多くの活躍鳩を輩出した。他鳩舎でもこの直系からポーIN優勝、ダックスN優勝などが生まれている。
フレーカー
(ロジェ・フレーカー)
ベルギー
 第2次大戦後、父から引き継いだ鳩舎で短・中距離において数々の活躍をものにしたが、それにあきたらず、長距離に挑戦すべく、ごく一部を残してすべて売ってしまう。そして以下の銘鳩4羽を導入し、新たな鳩舎作りを始めた。
・フィガロ ボルドーIN優勝 カトリス兄弟作翔
・ド・90 アングレームN優勝 カトリス兄弟作翔
・ロースト・タンゲ アングレームN優勝 ロベルト・タンゲ作翔
・アイザレン リボルヌN優勝 デスカン・ファナステン作翔
 4羽導入から10年後の70年、バルセロナINで4位ほか6羽入賞、ゼネラルチャンピオン賞、マラトン賞、西フランドル州合同チャンピオンに輝き、一挙に表舞台に登場した。75年はリモージュN優勝、2回目のゼネラルチャンピオン賞、79年は日本テレビ主催の国際親善レースで優勝を飾った。 
ペーテルス
(トーマス・
ペーテルス)

ベルギー
 73年、75年サンバンサンNを制した70−638によって勇躍、国際舞台に躍り出た。その母フーデン・グリジェはヘクトール・デズメのプリンスの孫に当たり、彼の鳩舎の基礎鳩となった。77年(クライネン・モルナール)と79年(カオール)の長距離Nエースピジョン1位もフーデン・グリジェのライン。
 90年代に入って親子で活動し、95年サンセバスチャンN優勝、97年バルセロナIN2位(1位もペーテルスの系統)と変わらぬ強さを見せている。
 ベルギーでも最遠距離地帯の同国北東部の町アスで鳩を飼育している。
ボスチン
(レオポルド・
ボスチン)

ベルギー
1909〜1985年
 「良い鳩とは獲得賞金の多寡で決まる」という実績主義が彼の信念だった。西フラマン州モーレスレイドでレースを始めたのは1930年代、タルペとマリエンの系統が始まりだった。その後、数々のレースで優入賞を果たし、優勝回数で抜きん出た存在となった。代表鳩にベノニ(70年ポーIN優勝)、スラッペン(74年ポーIN優勝)、チコ(76年アルジェントンN優勝、77年ブリーブN優勝)など。
 ステッケルボード、カトリスとの血統的交流、共同作出でも知られる。
   
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